恐れ入りますが、こちらの商品は、おひとり様3個までとさせていただきます。
塩づくりをはじめたキッカケは友人が作った塩。
「こんなうまい塩をつくりたい」と思ったことをキッカケに転職し、以来20年近く四万十町で塩作りをしています。
「山は海に比べて晴れの日が少ないから、ゆっくりと乾いて塩になる。
釜なんかで一気に炊くとカルシウムなどのミネラルが分離して釜にべったりとくっついてしまう。
急に乾かしても一緒。海の味が逃げてしまう。
僕は海をそのまま味わえるような塩を作りたいと思ってるんよ。」
ここが山塩小僧の製造現場。3棟のハウスと小屋が連なっています。
手前から1つ目のハウスが「※鹹水ハウス」といって、海水の濃度を高める空間。
木の小屋にポンプがあり、鹹水ハウスと連動して海水を循環させています。
2つ目、3つ目が「結晶ハウス」。天日塩を作る場所になります。
※鹹水(かんすい)…塩をつくるための海水
1つ目の鹹水ハウスの中です。
この空間で海水を循環させることにより、海水の濃度を高めています。
10~15%(海水の約4倍ほど)の濃度になるのが目安で、
これはカルシウムなどミネラルが分離しない濃度になります。
室内には、ほうきや流木が並べられています。
これには2つの理由があるそう。
ひとつ目は、ほうきや流木を障害物として置くことで、海水の循環がゆっくりになり、効率よく濃度を高めることができます。
もうひとつの理由は「かっこいいやん!」というもの。
森澤さんにとって、塩は楽しんでつくることが大切です。
室内に点在するシャワーからはポンプで循環させた海水が広がります。
この海水をほうきにふきつけています。
たまに金魚が泳いでいたりするのは、森澤さんの遊び心。
流木や地面に付着した色素はカルシウムなどのミネラルです。
濃度があがった鹹水は、パイプを通って隣の結晶ハウスに運ばれます。
それを結晶皿に広げ、塩を作っていきます。
このハウスの中は、夏場は50℃ちかくまで室温が上がります。
息をするのも苦しくなるほど。湿度も高く、まるでサウナのようです。
結晶皿の上に鹹水を薄く注ぎ、時間をかけてゆっくりと塩を育てます。
ゴミをとってはかき混ぜる作業を毎日繰り返すことで、
少しずつ塩ができあがっていきます。
そうして結晶皿の上にはミネラルたっぷりの天日塩が顔をだします。
収穫ののち、完全に乾燥させ、再度丁寧にゴミを取り除くことで
天日塩「山塩小僧」ができあがります。
ミネラルを含んだ塩は、舌の上でまろやかにじわっと甘みがとけだします。
つくるペースも季節や気温によってまちまち。
夏場にくらべ、冬場は倍以上の時間がかかりますが、それも自然にゆだねる山塩小僧ならではです。
天気や気温にゆだねる森澤さんの天日塩は、季節ごとにちがった味わいになるそう。
「塩をつくるのは人間ではなく、自然の力。だから夏は夏で、冬は冬でまた味が変わる。
海の味がそのまま味わえる塩っていうのはそういうこと」とおっしゃいます。
森澤さんオススメの食べ方は、シンプルにおにぎり。
ほどよい塩みと、ミネラルたっぷりの甘みが味わえます。
お肉やお魚、天ぷらなどにふりかけてもおいしくお召し上がりいただけます。
山でつくる珍しい天日塩「山塩小僧」。
使われる海水は、太平洋に面する高知県黒潮町佐賀から運ばれます。
夏場は週に1回、冬場は月に1回程度、森澤さん自身が海水を汲みに行きます。
2トンのトラックにタンクを積み、片道およそ1時間かけて海水を汲みに行きます。
「そもそも塩なんてものは、誰だってつくることができるもの。
まずは、自分の住んでいる場所の海水で塩を作ってみてほしい。
おいしい塩を食べたければ川や海を汚しちゃいけん。
そういうことを考える、いいきっかけになると思うよ。」
こうして、手間と時間をかけてじっくりと作られる山塩小僧。
決して、大量生産ができるようなものではありません。
ひと粒ひと粒の結晶に、自然の力をたっぷりとたくわえたお塩です。